master of life 人生の達人

僕には大人になった時の夢があった。

中学生の時はファンタジー小説家。

高校生のときには色々な本から影響を受けていた。

浦沢直樹さんのパイナップルアーミーやマスターキートンを読んでは、自衛隊フランス外人部隊歴史学者

24人のビリーミリガン、5番街のサリー、アルジャーノンに花束を、を読んでは心理学者。

歴史学は儲からないと兄に反対され、大学では心理学を専攻した。

でも、自分には能力がなかった。

東京に行き、高い学費と家賃を払ってもらったのにバイトに明け暮れ、勉強も遊びも何もしなかった。

なりたい人になれなかった。

北海道に戻り、直ぐにうつ病になり、かなりの年月引きこもり、迷惑をかけた。

現在、癌の母親の手伝いをし、たまに実家に帰り父親とお酒を飲み、猫を撫でてくる。

学生の頃思っていた理想の大人にはなれていない。

でも、今思う理想の男にはなろうとしている。

年齢によって理想とは違うものだ。

結果がなくても、地位や名誉、お金がなくてもかっこいい男になれると思える自分が今いる。

master of life

恐らく死ぬ頃に「人生の達人」になっているに違いない。